通勤片道2時間から徒歩10分になって気づいたこと【体験談】

きにしらの体験談

社宅のメリットを捨ててでも会社の近くに住んだ理由

始まりは一枚の辞令

18歳で高校を卒業し、すぐに社会人となった私。入社してから5年間ほどは会社の寮に住み、電車で約20分、ドアtoドアで1時間弱の場所にある事務所へ通っていました。

当時はそれが普通だと思っていて、通勤時間について特に深く考えることはありませんでした。
むしろ、「職場が近すぎるのも気持ちが切り替わらなくて良くないかもな」なんて呑気なことすら考えていました。

しかし、入社6年目の9月、突然事件は起きました。

渡された辞令の紙には○○支社と書かれています。

え……?一瞬、目を疑いました。

その支社は、私が住んでいる寮から最も遠い支社でした。
その支社以外なら1時間程度で通えるのに…

慌てて転勤の手続きと同時に転寮の申請も出しました。当たり前です。
毎日片道2時間、往復4時間も通勤に費やす生活なんて想像もしたくありません。

しかし会社から返ってきた回答は、「転寮は認められない」の一言。

理由を尋ねると、
「電車に乗っている時間が片道2時間を超えない場合は現状の寮から通勤してください」
と、信じられないほど事務的な回答。

私は唖然としました。

いや確かに電車乗ってる時間は2時間は超えないけどさあ…歩く時間も考慮したら2時間なんだよ…

そんな冷たい会社に対する怒りと、結局それに対して反抗することができない自分自身の立場の弱さに対する悔しさがこみ上げてきました。

しかし、入社6年目を迎えた私は、理不尽に耐えるスキルだけは立派に身につけていました。
結局、「そういうものだ」と自分を押し殺し、片道2時間の通勤を黙って受け入れました。

身体に現れ始めた異変

新しい支社で勤務が始まり、2か月が過ぎたころ、私はひどい足の冷えを感じるようになりました。

12月だったので寒いのは当然でしたが、それにしても尋常ではありませんでした。
足元をヒーターで温めても肌の表面が熱くなるだけで、身体の芯は氷のように冷たいまま。

そして日に日に筋肉が硬直していき、脚を動かすのが辛くなり、やがて腕や指先にまで影響が広がりました。

キーボードが打てない…

さすがに危機感を覚え整形外科へ行きましたが、検査では異常なし。
「精神的ストレスによる筋肉の緊張ではないか」と医師に言われました。

引越しを決断

医師から「精神的なストレス」と言われ、真っ先に頭に浮かんだのは通勤のことでした。

自分の気持ちを押し殺してまで会社に従った結果がこれだとしたら、なんて愚かなことをしたのだろう……と、強烈な後悔が襲ってきました。

会社からの家賃補助はありませんでしたが、もうそんなことは言ってられません。
「健康を失ったら何も残らない」と思い直し、多少苦しくなってもいいから通勤時間を減らす決断をしました。

選んだ新居は築30年、家賃4万円。2K(無駄に広い)。
エアコンなしだと冬の室温は8度、夏は38度にもなる決して快適とは言えない部屋でしたが、会社までは徒歩わずか10分。

この決断が、私の人生を大きく変えるきっかけになりました。

徒歩通勤で感じたメリット

自由時間の増加

徒歩通勤になって一番良かったのは、当たり前ですが自由時間が大幅に増えたことでした。

それまで朝5時半に起きていたのが、7時に起きても余裕で間に合います。17時半に仕事が終わり、スーパーで買い物をしてもまだ18時前!

ゆっくりお風呂に浸かり、自炊して美味しいご飯を食べます。これでもまだ20時にもなっていません。

その後は、動画を見たり読書をしたりと自由に過ごし、眠くなったら寝るという理想的な生活を手に入れました。

電車からの開放

電車に乗らなくて良くなったことも想像以上に幸福感を得ることができました。

電車の中は臭いや騒音、身体が接触する不快感など、想像以上にストレスの多い空間だったのだと改めて気づきました。

座れても狭い座席で肩を狭めながら、万が一周りに見られても恥ずかしくないようなコンテンツしか見れません(小心者)。

何より、電車の時刻に縛られず、自分のペースで動ける自由さは格別で、心から解放された気持ちでした。

自分の家を手に入れた感覚

これはずっと会社の寮で暮らしてきた私特有の感覚かもしれませんが、入社してから6年目にして、初めて「自分だけの部屋」を手に入れたような感覚でした。

当時は24歳(若いなあ)。
観葉植物を置いたり、フレグランスで部屋を好きな香りで満たしたり、試行錯誤しながら部屋づくりを楽しみました。

お金は決して多くはありませんでしたが、好きなものを少しずつ集めて、自分らしい居心地の良い空間を作り上げていく時間は、とても充実していて貴重な経験でした。

仕事における圧倒的な精神的優位感

短い通勤時間は仕事ぶりにも変化を与えてくれました。

もともと私は仕事において意識的に余裕を持つように心がけていました。
朝ちょっと早く出社し、業務開始前に落ち着いた時間を過ごすことで、精神的なゆとりを生み出していました。

他の人が朝ギリギリに来て業務開始する中、自分はしっかり落ち着いた状態で業務開始できているという心の余裕が仕事に取り組むモチベーションに繋がっていたのです。

それと同じような感覚を得たのです。

徒歩通勤になってからは、通勤での疲労が全くないことが、
「自分は他の人よりも体力的にも精神的にも余裕があり、もっとできる!」
という精神的な自信や優位感につながりました。

その結果、仕事への集中力も高まり、この頃から会社での評価も実際に上がってきたように感じています。

まとめ

この引越しをきっかけに身体の調子は明らかに良くなりましたが、それだけでなく、自分にとっての「幸せ」について改めて考える機会にもなりました。

私は金銭的なメリットよりも、自由に使える時間や健康を優先しました。
資産形成という視点から見ると、一見するとマイナスな選択かもしれません。
しかし、「お金とは何のためにあるのか」と考えたとき、それは健康や自由を手に入れるための手段なのだと気づきました。

4年経った今振り返っても、今回の決断は決して無駄ではなく、むしろ人生の中でも価値ある「良い買い物」だったと思っています。

そして今、私は結婚および同棲を控えていてこの徒歩通勤できる環境を手放すタイミングに差し掛かっています。
そのあたりの葛藤はまた別の機会に書いてみたいと思います。

それではきにしらの体験談でした!

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